R・ショッパーは1859年2月21日にマルクノイキルヒェンの隣町アードルフに生まれます。1878年にJ・C・ペンツェルのところで、その後はベルリンのカール・フリードリヒ・ツェッチェ、スイスのヒルスブルナー、ドレスデンのF・A・ヘッケルの下で職人として修行を積んでいます。
1888年9月にライプツィヒにて工房を設立し、ペンツェルの後継者として名乗りを上げています。その後、宮廷御用達の称号を受けています。
ショッパーは、トランペットとトロンボーン製作において、ヘッケルの影響を受けていることが伺えます。特にF管ロータリー付のテナーバストロンボーンでは、テナーボーゲンの設計などに表れています。上吹き用のトロンボーンでは、若干クルスペの影響を受けていると見られるものもあります。
音色は、私個人の主観的な表現をするとライプツィヒ・ゲヴァントハウス・オーケストラ特有の少し鼻にかかった感じです。(ゲヴァントハウスのブラスのサウンドは、ザクセン的な響きではありますが、ベルリン・フィルやシュターツカペレ・ドレスデンと比べると少しダークで、オープンさ・直線的な響きに欠けるところがあると思います。)
ショッパーの楽器は、特に1910〜1920年代に製作されたエンブレムがアンティーク体の手彫り彫刻が施されているものがクオリティーが高いとされています。(量産モデルも作っていましたが、こちらはそれほどではないようです。)
工房は息子のフリッツ・アルノ・コンスタンティンへ受け継がれましたが、1933年頃よりアダルベルト・オットーが、その後はヘルベルト・レッチェが中心となって製作をしていたようです。
1943年の空襲により工房は破壊されてしまいましたが、楽器研究家ヘルベルト・ハイデによりますと、戦後工房を再開し、細々と1948年まで続けていたようです。
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